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4つのタイプ別 うつ病対処法4 types of depression coping methods

うつ状態の人には「頑張って」という言葉で励ましてはいけないと一般によく言われていますが、それは正しいのでしょうか? また、「頑張って」と言ってはいけないと言われても、どのように励まして良いか、このアドバイスには一番大切な情報が欠落しています。 日本人の多くにその兆候・症状があるとさえ言われ、もはや国民病となっている鬱(うつ)病。 その対策・治療については幾つもの提言があり、医療現場でも決め手に欠くのが現状です。 「仕事を変える」「外に出て体を動かす」「何か打ち込める趣味を見つける」など、いろいろなアドバイスが世間に出回り、時にはまったく逆の意見も聞かれます。 そして良かれと思って行った対処が「却って悪化させる原因」と指摘されることもあります。 いったい、何が正しいのでしょうか?

じつは『聖書に隠された成功法則』でも紹介している通り、人によってそれぞれの気質(タイプ)は異なり、それぞれ対処方法が異なる、というのが事実です。 成功法則のパターンもそれぞれの気質によって異なる部分と、万人に共通する部分とがあります。 うつ対策でも各タイプ別に対処する部分と、万人共通に対処できる部分は違います。 つまり、表面的には誰もが同じうつ症状のように見えても、その原因や対応は異なってくるのです。 このことを気付かないまま対処すると、前述のように返って症状を悪化させることすらありえるのです。 共通部分としては、未来への希望・将来への夢が持てないことです。 日本の場合、国家全体が方向性を失い、昨日のセオリーが今日は通じないという激動の時代に入っているため、国家全体の雰囲気がうつの潜在的要因を抱えています。 まさに国民病です。 問題は、どんなときに人がビジョンを失うか、が4つのタイプ別に違うことです。 ここを知れば、回復への第一歩が始まります。

ここでは、4つのタイプ(獅子、牛、人、鷲)のそれぞれの特徴を解説し、それぞれが陥りやすいうつ症状の原因と、その対応策について見ていきましょう。

獅子タイプ

雄牛タイプ

人タイプ

鷲タイプ

獅子タイプLion

  • 傾向:人との出会い・つながりを喜ぶ外交型

うつ要因

獅子タイプにとって、一番つらいのは、人々との出会いやつながりの機会を失ったり、周囲の人々からの信頼・愛情を受け取れない状態です。
このタイプは、会社で内勤やデスクワーク中心になると、ストレスが増加します。
また、極端に人数の少ない環境(上司一人と部下一人だけの事務所)や、日々の生活で変化の乏しいルーティンワークの繰り返しなど、閉鎖的で単調な状態に拘束されることに耐えられません。
活動的な新聞記者が、出世してデスク担当になると覇気がなくなるのがこのケースです。
同時に、獅子タイプは周囲から自分が必要とされている、という誇りと自信が元気の源なので、周囲から嫌われている、必要とされていない、という状況に陥ると深刻なダメージを受けます。
クラスの人気者が、ふとしたことをきっかけに周囲からの支持が得られなくなった途端、坂道を転がるように精神的に荒れたり不安定になったりすることがあります。
獅子タイプの度合いが強いほど、拒絶されたときの痛みは強まります。
「拒絶」こそが獅子タイプにとってもっとも辛いのです。
閉鎖的な環境と、周囲からの拒絶、このようなときに獅子タイプは、急激に心を病みます。

対策

獅子タイプのうつ症状には、「仕事を休んで家でゆっくり休む」「世の中全体を見渡し、視野を広げる」「自分よりも苦しい中で頑張っている人もいると悟る」などは効果がありません。
映画や読書も効果は薄いでしょう。
一人で絵画や陶芸に励むのも心の癒しにはなりません。
彼(彼女)にとって一番必要なのは、周囲を巻き込めるステージ(舞台)です。
まず孤独感から脱出することです。
一人で完結する仕事ではなく、他の人々とのチームワークが必要なプロジェクトを優先して選んで下さい。
人々が行き交い、調整役やまとめ役が必要な環境などが適しています。
人間関係では、自分に対して受容度の高い人とのつながりを少しずつ持ち始めることです。
ここで大切なのは、「ありのままでいいよ」という受容ではなく、もっと積極的に「あなたのこの能力がすごい」と肯定的な評価をしてくれる人々とつながることです。
自分の得意分野・才能に徹して、自信を回復できる場を見つけて下さい。

周囲のサポート

サポートする人たちは、「あなたってすごいわね」「こういうとき頼りになるね」など、その人がいかに大事で必要とされているか、を伝えてあげることが効果的です。
(獅子タイプの夫は、妻から評価されないと落ち込んだり、浮気しやすい傾向があります)。
最初はただのお世辞かリップサービスかと疑われても、当人は心の深いところで安心や喜びが沸き始めます。
「自分が必要とされている」感覚を持つと獅子タイプは強いのです(ある意味、お調子者なのです)。

雄牛タイプOX

  • 傾向:じっくりと一点集中で進む目的志向型

うつ要因

雄牛タイプは、一つの目的に向かって一心不乱に歩めますが、その結果として期待していた成果や報いが得られなかったときに特に強いダメージを受けます。
必死に受験勉強して入学した第一志望の大学がつまらない、念願のマイホームを建てたのに家族は不仲なままだ、青春を犠牲にして苦しい練習に耐えて優勝したのに有名人にならない、などです。
表面的にはすべてのうつに共通する「人生の目的を失った状態」ですが、一段深く見ると、これまでの歩みが無駄だったという徒労感、それに費やした時間やエネルギーへの空虚感、犠牲にしたもの(家族や友人関係)などへの喪失感などが潜んでいます。
よくある表現で言えば、「夢が破れた」という感覚です。
同時に、雄牛タイプは、「仕える」という気質が強いので、仕えた相手(リーダー的人物、会社やクラブなどの団体、など)が最終的に成功を収めなかったときに、心を痛めます。
けれど時には相手を責めて「私がこんなに尽くしたのに」という不満や失望を抱きます。
最悪なのは仕えた相手との感情的な軋轢が残り、「一生懸命仕えたのに、裏切られた。利用された」という感覚に陥ることです(企業ドラマでありそうな話ですが)。
多くは、これらの感情が混在しながら内側で心を蝕んでいくことで、うつが悪化して行きます。

対策

雄牛タイプでうつになっている場合は、もう同じ痛みや苦しみを体験したくないので、何か一つの目的に向かって全力を尽くすことが怖くなり、誰か(何か)に仕えることが怖くなります。
しかし本来の気質はそれを欲しているので、この矛盾が無意識の葛藤です。
対策は、仕えた分の成果、前進した分の結果が、明確に見える体験を少しずつ積むことです。
何か一つの作品を完成させる経験や、被災地の緊急ボランティアなども有益です。
活動したから良いのではなく「倒壊した家屋をどけて道路を開通させた」など具体的成果(特に、誰かの役に立てること)に手応えを感じられるから良いのです。
単に「いろいろな人と会って話して気分転換」は獅子タイプには有効ですが、雄牛タイプには効きません。
つまり、コツコツと歩んだ(作業した)結果、最後にきちんとゴールイン(成果を確認)できれば良いのです。
これを繰り返していくと、人間不信や過去の痛みから立ち直り、再び本来の気質を生かした仕事や生活に望んでいけます。

周囲のサポート

サポートする人は、上手に適切な量の仕事や課題を与えてあげることができます。
そしてそれを達成したさいに、どのような変化・成果が生じたかをきちんと伝えることで、その人の努力に価値があったことを印象付けてあげると良いでしょう。
たとえば、職場でうつ気味の部下にコピー100枚を頼み、その結果、会議がいかに順調に進んで大切な議決につながったか、などを伝えるだけでも小さな一歩です。
雄牛タイプは「仕える気質」なので、上司にとっては嬉しい存在ですが、その分正しいリーダーシップを発揮して成果を上げないと、雄牛タイプの部下は徒労感に苦しみ、早々とうつになります。
能力の高い雄牛タイプがうつになるパターンの多くは、リーダーの未熟さが遠因です。ゴールを冷静に見つめる雄牛タイプは、リーダーにとって怖い存在でもあります。

人タイプMan

  • 傾向:情緒的な心の動きに敏感な内向型

うつ要因

人タイプは、繊細な心の動きに敏感な分、一度心が内側に向き始めると、なかなか外部に出られなくなりがちです。
「大切なもの(人、物、時間、お金など)を失った」「あのとき私がしっかりしていれば」と、過去の悲しみの感情や、過去の失敗を悔いる気持ちなどが何度もフィードバックしやすく、そんな自分自身の状態にさらに悩むので悪循環にはまりやすい性質です。
徹底的に探求してしまうので、答えがない世界に入るとグルグル回ってしまい、無常観に浸ってしまうこともしばしばあります。
それでも内側では思考回路が出口のない高速回転をしている場合が多く、外からは理解してもらえない辛さもあります。
本人は気付いていなくても、潜在的な「答えが見つからない苦しさ」に悩んでいる状態です。他のタイプ以上にすぐに自虐的な罪悪感に陥りやすいのも特徴です。簡単に言えば、人タイプは「悩むのが得意な人」でもあります。

対策

人タイプの特性を利用した対策は、意外かもしれませんが、他人の問題に目を向けることです。
「自分よりも問題を抱えている人がいる」という現実問題に直面し、そのような人々のために何かお世話できることを考えていくことが、自分の内面に向かいすぎたベクトルを修正し、方向転換させ、良いバランスをもたらします。
多くの場合、人タイプはじつはきつい表現をすると、隠れた自己中心です。
控えめで自己主張が少ないのですが、心の中は「自分の悩み」への関心でいっぱいです。
この隠れた自己中心をやめて、「他人の悩み」に関心を持つことが変化の第一歩です。自分の問題ばかり見つめて悪循環になるのを防ぐには、他人の問題という、今までにないチャンネルに心を切り替えることです。
内面への探究心旺盛な人タイプですが、自分のための答えを探し出すより、他人のための答えを探すほうが、喜びを得やすくなります。
そしてたいていの場合、他人のための答えを探すプロセスで、何かしら自分の探究心を注ぐ対象を見出していきます。

周囲のサポート

周囲の人々ができるサポートは、相談事をすることです。
思い悩みうつになっている当事者に対して、サポーターたちは自分たちの悩み事を打ち明け、当人からのアドバイスや知恵を求めてください。
これは「うつの人の悩みを聞いて、相談相手になってあげる」という一般的なコンセプトからすると逆転発想で、「うつの人に悩みを打ち明けて、相談相手になってもらう」という手法です。
人タイプはもともと情緒的なので、他人の悩み事にも感情移入できるタイプですから、うまくセットされると効果を発揮します。
ただし、共依存に陥らないように注意して下さい。
サポーター自身は健全な精神状態で健全な悩み事を相談してあげてください。
健全な悩み事相談とは、相談相手自身との絆(特別な関係)を求めるのではなく、相談内容の解決を純粋に求めることです。

鷲タイプEagle

  • 傾向:高い視点から全体像を見渡す鳥瞰型

うつ要因

鷲タイプは、他人よりも高い視点で長期的な流れや広角的な全域を見渡す気質ですが、この視野を制限されるような、さまざまなプレッシャーなどを受け続けると、高度が下げられ、真下の地面しか見られなくなります。
そこにある問題だけが目に留まり、ストレスを感じます。
上司から「今期の売り上げだけに集中しろ」とか「この店舗だけマークしてればいい」など言われ、頑張って実行すると本来の鷲タイプの持ち味を失い、苦しみます。
長期的なトレンドを読むはずの為替ディーラーが、今週中の利益確定をせかされたりしたときも同じ種類のストレスです。
目の前の細部だけに無理に集中させられると、不思議なことに、鷲タイプはそこにある悪い部分だけしか見えなくなります。
目の前に大きな困難やマイナス要因ばかり転がっており、望みを感じられなくなります。
地平線が見えず、地面の石だけが気になるような状態です。

対策

視野が狭くなることが基本的な要因なので、逆に視野を広げて本来の鷲気質を満足させることが回復に効果的です。
積極的に外の情報を収集し、世界観を広げていくこと、会社ならば長期的なプロジェクトや、貿易や為替などグローバルな仕事など、大きな視点を活用するものを選んで下さい。
雄牛タイプは小さな成功体験の積み重ねが効きますが、鷲タイプは小さな事ばかり続くと疲れます。
新しいことを見聞きするなどの情報収集・分析して、大きなスケールをイメージできることを選んでください。

周囲のサポート

鷲タイプのうつ症状に対して、周囲のサポーターにできることは、当人の視点を引き上げる良きコーチ役となってあげることです。
当人がつぶやく困難や問題点に対して、それとは別の視点や、別の情報を与えてあげると当人の心に新鮮な風を吹かせることができます。
「新鮮な外の風に触れて気分転換」「しばらく海外留学」が通用するのはこのパターンです。
ある程度、心の高度を上げてあげれば、上昇気流に乗った凧のように、あとは当人が自力で上がることができるようになります。
また、鷲タイプは大きな話をしたがるので、「夢想家」「絵空事」というレッテルを貼られると傷つきやすい気質です。
将来の夢や希望を語ることを励まし、たとえ現実感がなくても肯定的に反応してあげるほうが得策です。

まとめ

一つひとつの具体的対処を読むと、これまでもうつ対策でどこかで聞いたことのある項目かもしれません。
秘訣は、これらがどのタイプの人に有効で、どのタイプの人に無効かを見分けることです。
4つのタイプは、人によってブレンド具合も違うので、うまく織り交ぜながらオリジナルな処方箋を作ることができます。
様々な方法を、上手にタイプ別に振り分け、適応していくなら、うつからの回復に向けて、格別な効果を上げることができるのです。